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Audio&Videoコレクションの行く末


家庭用ビデオが普及しだして25年が経過しようとしている。
新しもの好きの私は、当時技術的に優れていたベータデッキを購入し、映画や趣味の番組を録画してはマイライブラリーの充実を図ってきた。
その後、画質は、ハイバンドベータ、EDベータと進化していったのだが、一度画質の良い最新フォーマットの映像を見てしまうと、当初のベータで録画した映像は全く見る気がしなくなってしまう。
ベータは技術面では優れていたが、マーケティングに失敗して市場から退場してしまったため、私もEDベータと同様かそれ以上の画質を誇るS−VHSやD−VHSの機器に換え、現在でも相も変わらず映画等のエアチェックに励んでいる。
もちろん過去の財産であるベータテープをいつでも再生できる様にハイバンドベータ、EDベータのデッキも大事に保有している。
しかし今夏、長年の夢だったハイビジョンプラズマTVを購入、ハイビジョン映像を見る環境が整うと、過去に録画した画像が非常に汚く見え、映画等全く見る気がしない。

「これまで一生懸命録画して集めたマイライブラリーはいったい何だったのか」、と自問自答している今日この頃である。
それでも今度はハイビジョン映像が録画できる機器を一生懸命探している自分がいて、ふと我に返り、「いったい何度同じ目に遭えばあきらめるのか」とあきれる限りである。
思えば、映像ライブラリーのみならず、音声系についても同様の轍を踏んでいる。
大学時代にFM放送と出会い、その音のクリアさやステレオ放送の臨場感に感激し、学問そっちのけでエアチェックに勤しんでいた。
また、「音の優劣は入口と出口が大事」との信念で、スピーカーとレコードプレーヤーやカートリッジ、カセットデッキの性能評価と購入を趣味としてきた。
しかし、これらもCDの登場により、レコードやカセットテープが抱える課題(ワウフラッターやダイナミックレンジの狭さ)が解決されたため、性能の悪い音質では我慢ならず、現在聞くことは無くなってしまっている。
それでもマイライブラリーを棄てきれず、現在でも大量のカセットテープを保管している。

コンテンツが市場に常に流通している映画やドラマ・音楽等については、この技術革新が激しい世の中では、録画・録音して保管しておくこと自体無意味な行為とつくづく感じてしまう。
必要なときに最も高画質・高音質で入手・鑑賞できる環境が整えば、さすがの私も録画・録音して集めることを止めると思うので、AVメーカーには是非オンデマンド環境の早期実現を切に要望するものである。
唯一独自のコンテンツである自らが撮影した子供の成長記録等のライブラリーについては、その時代時代のフォーマットで保管するしかなく、今後はこれらをDVD等デジタル媒体にダビングする作業が待ち受けている。
これも早期に行わないと再生機器自体が市場から姿を消してしまうが、ダビングしても果たしてDVDはいつまで存続するのだろう・・。

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